構成部品
HW overview

1. 製膜チャンバー(ガスの入口と排気口をもつ)
容量(体積)は少ないほど、スループットを高速化でき、使用プリカーサーの低減ができる。

2. 基板加熱用の熱源
基板加熱はウエハーの直下にあるものや、チャンバー全体を加熱するものがある。

3. プリカーサー容器(「シリンダー」「カニスター(小さな缶の意)」「ボトル」とも呼ばれる。)ALDバルブは通常閉じているけれど、開くと中身の蒸気のプリカーサがガス配管に出てきて、キャリアガスに乗ってチャンバーへ運ばれる。
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SUS容器とALDバルブが2個ついたカニスター

4. ALDバルブ
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スウェージロック製。機械的には1億回以上のバルブの開閉に耐えられるとしている。
高速、高温対応品バルブのメーカーとしては他にフジキン社、HAM-LET社、CKD社、キッツエスシーティー社があります。

5. N2(窒素)またはAr(アルゴン)のキャリアガス

6. 配管
シリンダーなど材料容器からプリカーサーが出て、チャンバー(プロセス室)に向かう時に通る配管は、加熱させておく必要がある。これを怠ると配管にプリカーサーが付着してしまいプロセスが不安定になる。

7. ガストラップ/除害機能/スクラバー
安全に排気するためにプリカーサーを分解や補足して安全性を確保するための付帯設備。CVDで使用するプリカーサーガスには毒性が極めて強いものがある。一方でALD用のプレカーサはCVD用ほどないが、危険を伴うこともある。代表的なTMA は空気に触れると燃える材料です。

8. ポンプ(ターボ分子ポンプ、ドライポンプ、ロータリーポンプなど)
ポンプの排気能力がパージの速度に直結し、製膜レートに大きく影響を及ぼす。プロセスの大半はパージの時間のため。排気能力の高いポンプが好ましい。
なお、ターボ分子ポンプは破損回避のためにロータリーポンプと一緒に使用するためコストアップになり、ドライポンプは年1回のオーバーホールが必要になるため(バックアップのポンプが必要)メンテ費用がそれなりにかかる。

9. その他
膜厚均一性のモニタリング用QCM (Quartz Crystal Microbalance)はこちらから、どうぞ

ALD装置メーカー(アルファベット順)

1. AIXTRON
ドイツ。300や450mmウエハー用の量産装置メーカー。High-k膜と金属膜。2012年韓国DRAMメーカーにも装置を納めている。ALD技術では、シャワーヘッドの特許申請中。

2. Anric Technologies
米国。ハーバード大学のGordon博士研究室の研究員の会社。小型な開発用装置。

3.  ASM International
オランダ。主に半導体向けのプラズマALD装置メーカー。2004年に韓国のALDメーカーを買収。ALDの開発は日本で実施の模様。

4. Beneq
フィンランド。太陽電池での実績を強調している。

5. Cambridge NanoTech
米国。ALD出荷台数は200台以上のシェアNo. 1。ただ2013年に破産し、資産はUltratech (ステッパーメーカー)に買われ、現在は更にVeeco社傘下に。2014年にソフトウエアを一新し、持ち直した模様。

6. CN-1
韓国。140台以上の販売実績(2018年4月時点)。300mmウエハー用ALD、クラスターツールの実績もあり。日本にも既に複数台導入済み。

7. FHR

8. 日立国際電気
先端半導体デバイス用枚葉式CVD/ALDメーカー

9. Levitech
オランダ。ASM International からのスピンオフメーカー。半導体の200・300mmウエハ対応、太陽電池用途のALD量産装置。

10. NCD
韓国。韓国がほとんどの納品先。日本ではカネカに納品している模様。

11. Oxford Instruments
英国。CVDなどの成膜・エッチング技術を長年培ってきている。プラズマが売りの模様。

12. Picosun
フィンランド。ALDの発明者=生みの親スントラ博士が取締役をしているALD技術に歴史のあるメーカー。ダブルチャンバー技術(プロセス室が2重構造)が特徴で、プロセスが安定している。MEMSに強い?

13. SENTECH
ドイツ。リアルタイムでの膜厚測定エリプソメーターも得意としているメーカー。ヨーロッパでの実績多数。

14. SoLay Tech
オランダ。非常に高速な製膜技術を持つ。1nm/sec 。主に太陽電池用のAl2O3 成膜で実績あり。真空ポンプを使わない、いわゆる「Spacial ALD」で、TMAとH2O の仕切りにN2ガスの流れを利用している。

15. 昭和真空
Ulvacグループ。スパッタ(=PVD(物理的気相成膜))技術からの参入。光学膜に注力。

16. 東京エレクトロン
一度に100枚ウエハー処理や300mmウエハーを5枚搭載できるようなバッチ式CVD/ALDメーカー

17. Veeco Instruments
2013年9月 OLED向けにALDを製造販売していた韓国Synos Technology社を買収。フレキシブル基板へのロール2ロールタイプのALD。

その他にも多数ALD装置メーカーがありますが、省略致します。