日本でALD技術が広まらなかった理由とは?(その2)

懇意にしている先生より、このサイトに関する意見を頂戴しました。以下意訳です。

日本でのALD普及が進まなかった理由として、PVDやCVDと異なりALDは非常に検討することが多く、アプリケーションの要求に合わせて開発しなければならない、非常に複雑かつシステマティックに制御しなければならないプロセスであるためとのご指摘でした。要はプロセス窓が広い上に、個々のパラメーターをきちんと制御する必要がある。膜厚や製膜温度などに加えて、例えば以下のような検討が必要です。

1)材料(酸化物、窒化物、またそれら化合物、金属、合金、ポリマーなど)
2)原料の取り扱いから輸送系、排気(全てをシステムとして制御する)
3)コスト
4)コンタミ

これを達成するには、時間、お金そして Know-Howの蓄積が必要となり、日本の大学では取り扱いがたい状態になっているとのことでした。